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上羽 智之; 鵜飼 重治; 浅賀 健男
JNC TN9400 2000-006, 50 Pages, 1999/11
高速炉の被覆管は照射によってスエリングするが、被覆管温度の肉厚方向勾配によってスエリングに肉厚方向差が生じ、被覆管に二次応力が発生すると考えられる。燃料高燃焼度化に伴い被覆管のスエリングが顕著になると、このような二次応力が燃料ピンの健全性に影響を及ぼす可能性がある。本研究では、スエリング肉厚方向勾配を取り入れた被覆管の照射変形解析を有限要素法解析コードFINASを用いて実施し、この二次応力を評価した。その結果、以下のことが分かった。(1)スエリング肉厚方向差による二次応力は、主としてスエリングの潜伏期間の肉厚方向勾配によって発生する。この二次応力はスエリングで促進される照射クリープによって照射末期には十分緩和される。(2)試行的に二次応力を含めた照射中の被覆管応力計算値の最大値をPNC316の設計引張強さと比較した結果、前者は後者を十分に下回った。(3)応力依存性を考慮したスエリング式を用いて、被覆管の応力がスエリングを促進する場合の二次応力を解析した。その結果、応力によってスエリングは促進するが、同時に照射クリープによる緩和が有効に働き、スエリングに応力依存性が無い場合と到達応力レベルには差がない。